導入事例
塗装業
顧客情報をクラウド共有。地域に愛される塗装のプロ集団。
▲ていねいで美しい仕事で知られます。
直接施工にこだわる
下請け業者を一切使わず、直接受注・直接施工にこだわり続ける猪野晃三朗塗装店。過去17年で、1,600件以上の施工実績を持つ塗装のプロ集団です。
同社が直接施工にこだわるのは、何よりお客様の信頼のため。
施工後3年以上経たなければ、「手抜き」があったかどうかがわからないのが塗装の仕事。下請け業者の場合、元請からの値引き交渉などによって、この「手抜き」が行われるリスクが高くなるといいます。もちろん、「手抜き」の代償はお客様が払うことに・・・。
同社では、美しい仕上がりや耐久性はもちろん、施工前、施工時のお客様対応から施工後のアフターフォローまで、すべてにおいて自社一貫のサービス体制を整え、10年経っても信頼される、地域に愛される塗装店を目指しておられます。
クラウドで進化
同社ではこうした顧客管理をさらに一歩進めようと、このほどクラウド型の顧客管理サービス「クラウドコンシェル」を導入。社長、営業スタッフ、職人に至るまで、顧客情報の共有がスタートしました。
下請けを使わない同社では、受注から施工までの期間が2ヵ月待ち、3ヵ月待ちとなることもあります。その間のフォローや商談の進捗状況、見込み客の有無、クレームや要望への対応状況など、様々な情報を共有。施工後の定期的なフォローについても通知・共有し、さらなるお客様満足を目指しておられます。
「まだまだ使いこなせているわけではありませんが、お客様との関係づくりに手応えを感じています。特に、コメント欄にお客様の情報を残しておけるのがいい。数字や施工実績ではわからないお客様の情報、性格やちょっとしたことを記録しておくだけで、その後のお付き合いに役立つ。過去のお客様情報も入力が進めば、大きな武器になると思います」(代表親方 猪野晃三朗さん)。
若い職人が多いことから、最初は不安に思うお客様もいるのだとか。しかしそんな不安はすぐに払しょくされます。はつらつとした挨拶に始まり、美しく丁寧な仕事ぶり。近隣への配慮も忘れない。すると逆に、「若いのに、ちゃんとしている」となる。それができる人材と風土こそが、猪野晃三朗塗装店の価値。
今後は、「クラウドコンシェル」をさらに活用し、こうした人材や風土を最大限に生かした、お客様サービスの仕組みづくり、質の向上が期待されます。
▲毎朝の朝礼風景
製造業
顧客情報の共有・一元管理で、ビジネスチャンスを拡大
情報を共有できていなかったら...
消耗品の供給や定期的なメンテナンスが必要な商品を販売しているにも関わらず、会社と営業窓口が顧客情報を共有できていなかったら……。
待っているのは、ビジネスチャンスの消失、どころか顧客の流出すらありえます。「そんな会社あるの?」と思われるかもしれませんが、常に顧客にオンデマンドできなければ、結果は同じ。「担当でなければわかりかねます」は、すでに通用しない時代になっています。
※木質ペレット製造機ペレタイザー
第7回エコプロダクツ大賞受賞/
第21回地場産大賞受賞
粉砕、乾燥処理を施したオガ粉などの木質粉砕物を、独自の圧縮法により円柱状のペレットに造粒。造粒された木質ペレットは、燃焼性が高く安価で環境に優しい固形燃料として利用されます。製材時の産業廃棄物の解消や、間伐残材の有効利用につながるとの期待も大きく、檮原町のバイオマスタウン構想にも参加されています。
「クラウドコンシェル」の導入にあたって
こうした顧客情報の共有・管理を円滑に進めるため、木質ペレット製造機「ペレタイザー」※(製造元:土佐テック)を販売する日本バイオエナジー(南国市三和琴平)では、クラウド型顧客管理システム「クラウドコンシェル」を一年前に導入されました。
「導入前は、メンテナンスのご案内や消耗品の提供など、営業まかせの部分もあった。納品や修理などの履歴を記録する手書きの台帳もありましたが、顧客の問い合わせに迅速に応えることができなかったり、営業によっては記載漏れがあったり。結局、担当を呼び出すことに。小さな会社で、これではだめだと。全国に顧客が広がっていく中で、互いに頭で記憶しているだけでなく、データで記録して共有する必要性があると考えました」(中川専務)。
理容業
お客様の要望のすべてをクラウド共有
「技術」と「ホスピタリティ」の標準化が、お客様をリピーターに
Hair art design 床屋 様
「いつも通りで」
多くの理容店で耳にするこの言葉。この要望に応えることができるからこそ、お客様は固定化する、と考える方も多いかもしれません。しかし実際は、お客様自身の記憶も担当した理容師の記憶もあいまいなもの。結局は、互いに「こんなものかな」でカットされ、「もうちょっとこんな感じで…」と、作業時間は伸びていきます。
もちろん、すべて記憶しているという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一人で抱えることのできるお客様は限られており、そして誰にでもできることではありません。
そんな理容店の永遠の命題ともいえる問題をIT(クラウド)の力によって解決…どころか、新たなチャンスに変えた理容店があります。
高知市瀬戸のHair art design床屋(弘瀬伸洋代表)。
モバイル端末を使って
こちらでは、モバイル端末を使ってお客様一人ひとりのカルテを作成し、カットの方法や長さなど細かく入力。仕上がりの写真とともに、お客様データとしてクラウド上に保管・共有しています。次回来店時には、前回の仕上がり写真をもとに「いつも通り」にするか、新たな要望を加えるかを話し合い、その内容もコメントとして保管。仮に担当者が違っても、常にお客様の要望に応えることができる仕組みです。つまり、理容業で最も必要とされる、「技術」と「ホスピタリティ」の見える化・標準化を実現されているということ。これにより、一人当たりの作業時間は短縮され、お客様の待ち時間も解消。コストダウンだけでなく、お客様満足にもつながっています。
顧客カルテクラウドサービス
「顧客カルテクラウドサービスは、お客様にも、従業員にも、店にとっても大きなメリット。特に、若いスタッフでも自信を持って仕事ができるし、まかせられる。それに、カルテづくりはお客様とのコミュニケーション力も高めてくれる。次の世代を育てていくためにもどんどん広げていきたい」と弘瀬社長。昨年は2号店も開店。職人気質の根強い理容業界にあって、ITの力で次代を見つめる弘瀬社長。その挑戦は始まったばかりです。